第98回 全国高校野球選手権石川大会 準々決勝 vs金沢

遊学館　対　金沢

◇準々決勝　◇金沢市民球場　◇２０１６年７月２３日

（金）松田、森、橋村、大畑－入谷

（遊）琴浦、戸部－内潟

【本塁打】内潟（遊）

【三塁打】長（金沢）内潟（遊）

【二塁打】藤原（遊）

戦評

◆第９８回 全国高校野球選手権石川大会　▽準々決勝　遊学館６x―５金沢（２３日・金沢市民球場）　２回に先制された遊学館だが、すぐさま追いつくと、３回に内潟の高校通算４５号本塁打で逆転に成功。その後、両投手が持ちこたえて、２ー１のまま試合は終盤へ。７回、金沢に４点を取られて逆転を許すも、その裏すぐに同点に追いつく粘りをみせ、最後は池上がライトへ適時打を放ちサヨナラ勝ち。激闘を制した遊学館が、７年連続の準決勝進出を決めた。

序盤調子の上がらない遊学館の先発・琴浦を好守備がもり立てた。初回はヒットで１死一塁から、平井がセカンドゴロ併殺。２回には、１死一、三塁からピッチャーゴロの間に１点を許すも、２死二塁から吉村のレフト前ヒットをレフト池上からの中継プレイで本塁アウトとし、この回を１失点で食い止めた。さらに３回には２本のヒットで１死一、二塁とされると、またしても平井がセカンドゴロ併殺。難しい打球を捕球しただけでなく、併殺に仕留めて再三のピンチを凌いでいく。大会前は内野守備に不安もあったが、大一番になると力を発揮してくるあたりに遊学館の強さを感じた。

遊学館は、先制された直後の２回裏、制球に苦しむ金沢先発の松田から押し出し四球で１点を返すと、３回には内潟がセンターバックスクリーン右にホームランを放ち、２ー１と逆転に成功する。キャプテン内潟の高校通算４５号となるホームランで遊学館に流れを引き寄せる。

４回以降は、落ち着きを取り戻した琴浦が金沢打線を抑えていくが、遊学館打線も金沢の２番手・森から追加点を奪うことができずに試合は終盤へともつれ込む。

７回表、金沢は入谷、吉村の連打などで２死一、二塁としたところで、遊学館はピッチャー琴浦から戸部に交代。しかし、戸部は上田にレフト前ヒットを許して２死満塁とすると、続く穴田の打球は、一塁に入った琴浦を強襲する２点適時打となり逆転を許してしまう。さらに長のセンターオーバーの三塁打でさらに２点と合計４点を奪われて、５ー２と金沢が試合をひっくり返す。

嫌なムードとなったが、７回裏、ここから遊学館打線にようやく火がついた。中村康が死球で出塁すると、藤原がレフト線へ二塁打を放ち１点。中野のセカンドゴロで１死三塁とし、内潟がライトオーバーの三塁打で１点。さらに保科のファーストゴロの間に１点が入り、すかさず同点に追いついた。取られた後にすぐに追いついた集中力はさすがの勝負強さ。

８回以降は戸部が持ち直し、９回を三者凡退に抑えて、再び流れを引き寄せた。
９回裏、内潟、保科の連続ヒットで１死二、三塁とサヨナラのチャンスを迎える。ここで、金沢は好投していた３番手橋村から、大畑にピッチャー交代すると、遊学館ベンチも動く。戸部に替えて石田を代打に。石田はスクイズを試みるが、キャッチャーフライとなり２アウト。戸部を下げた遊学館は何としてもここで決めたい場面。２死二、三塁で、この日７番に入った池上が打席へ。池上の思いきり引っ張った打球は、ファーストの頭上を襲いライトへ。これがサヨナラ適時打となり激闘に終止符を打った。春の大会からここ一番で決めてきたラッキーボーイ池上が、ここでも勝負強さをみせてくれた。

遊学館は、これで７年連続の夏ベスト４。次の相手は、４試合すべてコールド勝ちと、強力打線で勝ち上がってきた航空石川が相手だが、２試合続けての１点差ゲームをものにしてきた遊学館に勢いが出てきた。この勢いであと２つ勝って、夏２連覇を勝ち取ってほしい。準決勝は、２５日（月）１２時３０分から、県立球場で行われる。
 

打者成績

投手成績