第99回 全国高校野球選手権石川県大会展望

本命・星稜を軸に、熾烈な代表争い

第99回全国高等学校野球選手権石川大会(平成29年度夏季)は、7月14日(金)開幕し、抽選会は7月6日(木)に行われる。
春の北信越大会を2連覇した星稜が甲子園に最も近い位置にいるのは間違いないが、春の県大会で星稜を破った金沢や昨秋の県大会優勝の航空石川などによる熾烈な争いが予想される。

星稜は、昨夏の甲子園を経験したメンバーが多いのが最大の強み。木倉、清水、川岸、若宮、小倉、寺西らの3年生や、2年生の竹谷らの経験豊富な豪華メンバーで大会に臨む。しかし、不安材料がないわけではない。一つは絶対的エース清水の登板イニングの短さ。球速はMAX149キロと成長したが、春は金沢打線に捕まり県大会の優勝を逃した。清水は、練習試合でもあまりいい結果を出せておらず、どこまで調子を戻せるかに注目したい。清水が初戦から先発して結果を出せば、大会を通じて流れに乗れそうなのだが、大会序盤は福田、小倉、坂本あたりが登板して清水を温存することも予想される。ケガ再発の不安がある清水を温存したいのも頷けるが、やはりエース清水が投げてチームを盛り上げたい。二つ目は投打において竹谷に頼りすぎている点が気がかり。竹谷が抜けると案外脆いかもしれない。それをカバー出来る逸材は豊富なのだが経験が少ないのが不安。三つ目は一塁の守備。一塁は主に寺西が守るのだが、その守備は常に不安が付きまとう。しかし、一発のある寺西はスタメンに入れておきたいところ。春同様に、守備範囲の広い二塁手・木倉がカバーする事で戦っていくのか。とはいえ、総合力で他を圧倒する星稜が今大会の大本命。第2シードから2年連続夏の甲子園出場を狙う。

この星稜を春決勝で破り、13季ぶりに優勝した金沢が第1シードに座る。金沢は春の県大会では、初戦の北陵戦以外はすべて強豪私立(金沢学院、鵬学園、小松大谷、航空石川、星稜)との対戦だったが、ことごとくこれを撃破して優勝を決めた。特に打撃は好調で、中でも得点圏打率の高い4番・尾形の存在は大きい。印象的なのは春2回戦の金沢学院戦で、コールド負け寸前の2死満塁フルカウントから放った本塁打。これでチームは勢いに乗った。高打率を残した3番・入谷と5番を打つロングヒッター森下の中軸打線は破壊力抜群。勝負強い吉村を下位に置くなど、どこからでも得点できる。春の大会では、航空・佐渡、星稜・清水といった県内屈指の好投手を攻略してますます自信をつけたのではないか。投手陣では、ここ最近は継投の金沢というイメージがついてきたが、今年は強力な左腕が3枚揃った。北信越の小諸商業戦での好投が光った向井、ロングリリーフも可能なセットアッパー大筆、クローザー今村のサウスポーリレーが確立すればそう簡単に負けることはないだろう。春の石川大会と北信越大会決勝で顔を合わせた星稜とは一勝一敗の五分、夏の決勝も春と同じ組み合わせになる可能性は十分にある。

春4強の航空石川は、エース佐渡の出来が鍵を握る。春の大会では、佐渡の起用法は星稜・清水と同じで、格下相手には短いイニングで調整し、大事なゲームでは先発するが流れを掴めずに打たれ出すパターン。打たれ出すと案外脆い面も見られた。大橋や杉本も成長してきているだけに、その投手起用にも注目したい。航空石川の特徴である強力打線は、2年生の4番・上田を中心に、原田、三枡、小坂からも長打が期待でき、ビックイニングを作れるのが魅力。県内一の迫力あるスタンドの応援と共に総力戦で2度目の甲子園を狙う。

同じく春4強の寺井は、遊学館にコールド勝ちした勢いで夏の大会に臨む。投打の中心は、遊学館を完封した西川ー下口のバッテリーだ。エース西川は、小松商との準々決勝では延長で勝ち越し本塁打を放つなど打撃での勝負強さも光った。西川が全試合に遊学館戦のような投球をして下口が打てば、4年前に好投手・宮本で達成したベスト4を超えることも夢ではない。強豪校を倒してベスト4の壁を破りたい。

Bシードは金市工、津幡、小松大谷、小松商。金市工は、航空石川との準々決勝では、2年生左腕・堀田が我慢の投球で要所を抑えてきたが、最後は上田にサヨナラ本塁打を打たれ力尽きた。この悔しさをバネにどこまで這い上がってくるのか。津幡は1年の夏から活躍してきた江林と喜多が最後の夏を迎える。しぶとく得点する力はあるチームなだけに、江林、戸部らの投手陣と、捕手にコンバートした2年生・相原らが中心となりベスト8以上の結果を残したい。小松大谷は、好選手が多く揃っているが、いまひとつかみ合っていない感じ。やはり投手力が最大の課題か。安定感のある左腕・宮浦は、スローボールながらも中盤までは強豪相手にも通用しているだけに、斎藤らの中盤以降にリリーフする投手の出来が重要になる。小松大谷の活躍は大会を盛り上げてくれそうなだけに期待したい。小松商は、1年生に好選手が揃うが、まだまだ経験も足りない。今大会に関しては、名将・竹田佐太雄マジックで強豪私立校を一つでも喰えるかに注目したい。

ノーシード勢も目が離せない

シード校以外にも注目校は目白押しだ。昨年は1・3年生での出場だった金沢学院。昨年出られなかった選手達が中心となり、春の大会では強力打線をアピールした。初戦では好投手の金沢西・柳橋を攻略し17得点。敗れはしたが、金沢戦では10得点しコールド勝ち寸前まで追い詰めたのは記憶に新しい。金森監督が去って伸び伸びとプレイできているのかもしれない。エース浅井は、キレのある直球とスライダーでテンポよく打者を仕留める。打の中心は4番・捕手の中(2年)。思い切ったスイングから繰り出される打球の速さは、県内上位クラスで雰囲気を感じさせる選手だ。

北陸学院は、春は津幡に敗れたが守備や走塁ミスが少なくなれば上位を狙えるチーム。野村、田島、吉村、大向を中心とした打撃は上位から下位まで繋がるだけに、投手陣を整備できるかにかかっている。エース長谷川や長身の宮下だけでは夏の大会は厳しい。星稜中や小松ボーイズから来た1年生らの活躍があれば勢いに乗れる。初の県代表を勝ち取るならこのチーム。

鵬学園も例年通りの実力あるチームに仕上がってきた。春はタイブレークの末に金沢に敗れはしたが、打撃・守備面ともに県内屈指の実力をもつ。絶対的エース濱本は、長いイニングを投げきる体の強さがあるが、夏の連戦を最後まで一人で投げ抜くのは厳しいだろう。優勝を狙うには濱本以外の安定した投手がもう一枚欲しいところ。

公式戦1勝が遠い金沢桜丘は打線は好調。エース牧口が怪我から復活したのは好材料で久しぶりの勝利を狙う。名将中野監督率いる野々市明倫は、練習試合で強豪相手に好投を続けるエース内山の投球が楽しみ。中軸の本仁、沖野らに当たりが出れば上位も。春は津幡の前に初戦で敗退した金沢商は、エース高田を中心とした堅実な野球で巻き返しを狙う。また、毎年夏には旋風を起こす泉丘、猛打の小松工も組み合わせ次第では台風の目になりそう。

そして春は屈辱の公式戦初のコールド負けを喫した遊学館。春は一試合しかしていないが、投手陣がまったく本来の投球が出来ない上に、守備が崩壊して自滅してしまった。投手・野手ともに、辛抱強くプレイできる精神力が身に付いていれば、上位が見えてくる。夏は、細呂木や加藤など期待の1年生の起用も考えられるが、やはり3年生の意地を1、2年生に見せつけて欲しい。栃原、石橋の両右腕が昨秋のような投球ができるか、中軸を打つ下谷に好機で回せるかなど3年生の活躍に期待したい。鍵は最後の夏を前にケガをした椎名。怪我から復帰してベンチ入りすればミラクルを起こしてくれるだろう。きっと強い遊学館が戻ってくるはず。

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